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普段コミックスを読まない者を魅了するだけの内容が一杯詰まっています
世界的に有名なバイオリン製作者陳昌鉉氏の半生を描いた『天上の弦』も第8巻までやってきました。人間の哀しみと優しさが一杯詰まった本作品に惹きこまれながら読み進んできたわけです。感動秘話とはこのような人のお話のことか、と思わされる逸話が散りばめられています。



篠崎弘嗣先生との出会い、そして桐朋学園での子供用バイオリン製作によって陳昌鉉氏の暮らし向きが少しずつ安定します。

韓国の国家を作曲した安益泰先生との出会いとその思いを安先生に母への言付けを託す場面のなど涙無くしては読めません。感涙とはこのことです。人間として一番大切なことをコミックから学んでいるようです。



3000円のバイオリンで芸大を合格した青年の話も感動的ですし、バイオリン作成の秘伝とも言うべき「ニス」へのこだわりと探求や、オリジナル・ニスの解明のため、外国文献を読み、バルサムを確保した話もまたその苦労が忍ばれる挿話でした。



山本おさむ氏の愛情を感じる作品で、陳昌鉉さんの感情が乗り移ったかのような絵とストーリーですから毎回深い感銘を得ています。



章立ては、第61話:上を向いて、第62話:母の面影、第63話:釜山より、第64話:嵐の日、第65話:ニス、第66話:伝説、第67話:母の来た道、第68話:連絡船、第69話:母の船、です。



陳昌鉉さんが、世界的なバイオリン製作者となりえたのは、苦しみにもめげずに必死に生き続け、人生の辛酸を尊い音色に紡ぎ出すことへと昇華したことによるものでしょうし、それゆえ苦労の人生が稀有なヒューマン・ドラマとなりえたと思います。




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